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 No.588

三輪 薫(みわ かおる)


No.588 『創る』/伊勢和紙ギャラリー巡回展 2012/5/23

27日(日)から三重県の伊勢和紙ギャラリーで、昨年夏に日本橋の小津ギャラリーで開催した写真展の巡回展を開催する。小津ギャラリーは現代画廊風の造りだが、伊勢和紙ギャラリーは大正ロマン溢れる純日本建築の社屋の中にあり、ちょっと変わった雰囲気の会場である。メインギャラリーの天井高は3.6mと高い和洋折衷の広い部屋で、天井と床が洋風、窓は和風となっている。作品は2.5mほどの専用パネルに展示するが、パネルのレイアウトも結構自由にでき、白と黒の両面を選ぶことができる仕様になっている。白か黒に統一することもあれば、壁面によって変える場合もある。また、照明も都内一流のギャラリーに引けを取らないレベルの器具で、障子越しに入ってくるソフトな外光も生かしたライティングとなっている。一般的なギャラリーとは全く違った設計であることも魅力で、2005年のオープン記念写真展以降、毎年のようにこのギャラリーで写真展を開催している。

ここのギャラリーでは、メインとサブの他に、廊下や階段のスペースもオープンギャラリーとして活用している。幅広い階段の踊り場は北に面していて大きな窓もある。この窓からは間接光ながらも結構外光が入ってくる。この窓の前や階段の途中には860mm×2000mmの吊り作品を展示することが多く、時間や天候によって差し込む光が変わり、作品の印象が違って見えるのが面白い。メインギャラリーの隣には小さなサブギャラリーもあり、南に面した窓からは晴れた日には燦々と光が射し込んで実に明るく気持ちよい。僕はこの部屋に展示した作品を眺めるのが結構好きである。

日本橋の小津ギャラリーでは2009年より毎年夏に開催していて、伊勢和紙ギャラリーでの巡回展も今回で3回目となる。1回目の巡回展は2000年1月、2回目の巡回展は2001年2月で、毎回開催月を変えながら行ってきた。昨年開催の3回目の巡回展は9ヶ月遅れの5月になった。伊勢和紙ギャラリーは小津ギャラリーよりも壁面が多く、今回も昨年同様にフォトワークショップ「風」との合同展にしているが、新作を12点追加しての開催になる。僕の作品に関しては毎回小津ギャラリーで展示の倍くらいあり伊勢和紙ギャラリーのほうが充実している。今回も重ね漉きの特種な和紙を9点使っている。オリジナルのこのような和紙を作品創りに活用できるのも伊勢和紙の利点である。6月24日まで開催していますので、是非お越し下さい。

※伊勢和紙 http://isewashi.co.jp/(ギャラリーの様子は「伊勢和紙の活用例」に掲載)

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