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 No.599

三輪 薫(みわ かおる)


No.599 『創る』/デジタル時代のレコード人気 2012/9/25

音楽の世界もデジタル全盛というのに、今年のレコード生産量は前年の1.5倍になっているという記事を読んだ。世の中これほどまでにデジタル化が進んでしまうと逆にアナログの音が懐かしく思うこともあるだろう。レコードの音楽など聴いたことがない若者にとっては、レコードが再生するメロディーに新鮮な驚きがあるのかも知れないし、レコードで音楽を楽しんだ年代の人にとっては懐かしさも湧いてくるだろう。CDなどのデジタルの音はレコードなどのアナログの音に比べるとクリアーであっても何となく耳にきつく感じる部分があるように思う。その点、レコードの音は優しく、暖かく感じ、心の奥深くに響いてくる。人間はデジタルではなく、だからこそアナログの音に心が惹かれるのは自然の摂理と言ってもいいかも知れない。写真の画像やムービーの映像にも同じ事が言えるような気がする。

風呂好きの人には薪で焚いた湯と灯油などで焚いた湯では、肌へのお湯の当たりが違うという。勿論、燃焼温度の低い薪のほうが肌に優しく感じられ好まれる。音楽のメロディーを聴く場合も同じで、やはり人間味のあるアナログによるもののほうが心に響くものがあるようだ。デジタルの液晶TVであっても、TVで放映される昔の映画を観ると現在撮影されているような克明なデジタル画像のドラマや映画と違って画面全体の雰囲気が優しく感じ、観ていても疲れない。だからこそ、心の琴線に触れるものも多いような気がする。

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