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 No.609

三輪 薫(みわ かおる)


No.609 『創る』/デジタル元年 2013/1/15

写真も映画もますますデジタル化が進み、ムービーの世界はスチール写真以上にデジタル化が進んでいるような気がする。デジタル化は歓迎すべき点も多くあり、表現の可能性も高い部分も多くある。僕にとっては長年の念願であった和紙プリント作品の制作が敵った喜びは大きい。しかし、写真がデジタル全盛になって歓迎すべき楽しいことばかりではなく、寂しさと不安を感じることも多くなっているのも事実である。

僕が本格的に写真を撮り始めた40数年前頃はまさしくアナログ世界で、カメラもメカニカルで、プリントも職人芸的な作業で成り立っていた。道具こそ多少違うとはいえ、版画や絵画、書道などと何ら変わらない表現世界だった。しかし、写真や映画などの映像世界がデジタル化を迎え、世の中の大半がデジタルになってきた今、絵画や版画の世界がどれだけデジタル化されているのだろうか。大半は昔のままである。だから進歩はないかといえばノーである。

しかし、絵画などの世界と違って映像の世界はアナログ世界の評価より、デジタル化が進むばかりである。今年辺り、倍速の勢いでデジタル化に向かいそうな気配を感じる。だから今年こそ「デジタル元年」と呼びたくなってくる。僕だけの思いだろうか。

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