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 No.612

三輪 薫(みわ かおる)


No.612 『生きる』/三寒四温 2013/3/23

近年、半世紀以上前の頃と比べると気候の変化も大きいように感じる。特にここ数年の冬期は一体どうなっているのだろうと思えるほど気温の変化が大きく、三寒四温とはいえ、真冬であるはずの2月に春の気温になったり、3月には初夏の気温まで上がって車では冷房を入れて走るほど暑く感じたことがある。また、降雪も特に北海道や東北では異常と思えるほど多くなっている。札幌市などその除雪費用が212億円と過去最高になるとの新聞記事があった。本年度の当初予算の4割増しだそうで、小さな町の中標津町は当初予算の2.2倍にも達するという。この北海道では吹きだまりでの死亡事故やホワイトアウトによる交通事故も起きている。実に痛ましいことである。

昨年の1月には大洗港からフェリーで北海道に出掛けた。冬期に自分の車で行くのは初めてだった。道内で10泊した後青函連絡船で青森に渡り、城ヶ倉、蔦沼、十和田湖、平泉、栗駒高原、裏磐梯高原と5泊で回ってきた。北海道では美瑛、小樽、積丹、ニセコ、大沼公園、函館のルートをたどった。北海道も東北も大半降雪の多い悪天候で、期待したような撮影は出来なかった。悪天候は好きだが、多すぎる降雪や積雪には困惑し、場所によっては景色がよく見えないくらいだった。だからか、この15泊の撮影行ながら現地で出会ったカメラマンはたった数人のみだった。いくら冬とはいえ少なすぎるが、何処に行っても目の前の情景を独占でき、僕らのためだけに用意されているような不思議な幸福感も味わえたのも事実である。

実は思うように撮ることが出来なかった昨年のリベンジとして今年も北海道の撮影行を計画した。しかし、昨年にも増して多い降雪で列車の運休が続き、様々な事故も多く、折角予約していたフェリーやホテルをキャンセルした。行けばよかったという思いと、2WDのVW T-4 ではちょっと心配という気持ちも強い。やはり冬期の雪国への撮影は屈強な4WD車が安心である。

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