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 No.620

三輪 薫(みわ かおる)


No.620 『創る』/写真展の会場 2013/9/23

絵画などの画廊には外光が入る会場がけっこうあるが、何故か写真専門のギャラリーは照明だけで見せる所が多い気がする。フィルム撮影した「風色」展を当時銀座5丁目にあったキヤノンサロンで開催した2001年には、ほぼ全国のキヤノンサロンで巡回展を開催した。大半の会場に行ったのだが、大阪梅田の会場は地階にありながらも前が吹き抜けの庭になっていて、上方から燦々と光が舞い降りてきて、オフホワイトの壁面と相まって実に心地よい光に包まれていた。勿論、展示している壁面には外光が直接に当たらないように仕切られていたが、窓側のパネルは天井部分が空いていて、そこから会場全体に間接光のような光が舞い込んでくる。とてもいいギャラリーだった。過去形で書いているのは、現在では改装されて外光が一切入らないからである。前の会場に比べると薄暗く、どこにでもあるような会場になってしまったのがとても残念である。

この梅田のキヤノンサロンでは、3回巡回展を開催していて、3回目が改装後だった。また、あの素敵な会場で作品を展示できるのかと楽しみにしていただけに残念だった。担当の方に尋ねたら、以前の明るい会場は評判がよくなかったそうだ。何故だろうか。写真展会場は壁が黒く、閉鎖的な空間がいいと思う人が多いのかも知れない。

2005年に開館した伊勢和紙ギャラリーのメインギャラリーは大正ロマン漂う日本建築の二階にある和洋折衷の部屋をそのまま活かした会場で、障子越しに入るソフトな外光も活かしたパネルレイアウトも出来るようになっている。壁面も黒とアイボリーホワイトの二面を使い分けることが出来るパネルになっている。天井高も3,6mもあり、開放感あふれたすてきなギャラリーである。ここでの開催では廊下や広い階段スペースと外光が一杯入ってくるサブギャラリーも活用し、変化のある展示ができるのも面白い。29日からこの会場で昨年日本橋の小津ギャラリーで開催した「花恋」と主宰しているフォトワークショップ「風」の巡回展を開催する。僕の個展「花恋」の作品は860mm×2,000mmの吊り仕様を4点、額装を9点追加して展示する。今年の伊勢は伊勢神宮の式年遷宮で大賑わいであり、多くの方々に御来場していただきたいと願っている。

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