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 No.621

三輪 薫(みわ かおる)


No.621 『創る』/写真展の会場-2 2013/10/1

「わの会」展の1回目は渋谷にあったドイ・フォトギャラリー、2回目は有楽町駅前に移転したドイ・フォトギャラリー、3回目は銀座6丁目にあったコダックフォトサロンで、4-5回目は有楽町駅前の交通会館7Fに移転した京セラ・コンタックスサロン東京で開催した。この全ての会場は壁面が黒でスポット的な照明をメインとして展示するようになっていた2010年と2012年の12月に6回目と7回目を開催した四谷のポートレートギャラリーは、壁面が少し濃いめのグレーで、照明のメインは光がよく廻る蛍光灯である。だから、会場の佇まいや雰囲気が全く違っている。ポートレートギャラリーでの「わの会」展は、これらのことを考慮して候補作品の中から展示作品をセレクトし、会場構成をした。壁面や照明設備が違う会場では多少演出を変えた作品セレクトや会場構成を心がけている。

伊勢和紙ギャラリーの壁面は黒とアイボリーホワイトの二面を使い分けることが出来るパネルになっているが、今回の写真展はアイボリーホワイトを選んだ。小津ギャラリーの会場もアイボリーホワイトで、僕の花作品もフォトワークショップ「風」のみなさんの作品も美しく映えて見えたからである。同じ作品の巡回展では敢えて壁面の色を変えることで新たな発見があったりすることもある。しかし、今回のメインギャラリーの大半を僕の作品で埋めるため、花の姿や表情を女性の色香に重ねて撮った描写には白のほうがイメージ的にも合っていると判断した。

僕の個展デビューは1976年に銀座ニコンサロンで開催した「道道」展である。モノクロの心象風景で額装で展示した。オーバーマットも黒にして黒い壁面からはアルミ額の細い枠のラインのみで区切られるように演出した。結構広い会場だったが、余りにも閉鎖的に見えるのを防ぐため、銀座通り側のパネルを外し、カーテン越しのソフトな光をギャラリー内に取り込んだ。当時の館長に聞いたのだが、このパネルを外して展示するのは滅多にないと言うことだった。

4日から10日まで水戸市の常陽藝文センターで黒田一郎さんが個展を開催する。この会場では1999年から今回までほぼ毎年のように開催していて会期も10月上旬が多い。黒田さんの個展の監修も今回で11回目となる。今回は「海景線」と題した海の写真で、小型カメラでフィルム撮影の作品をデータ化してラムダ出力にて銀塩ペーパーにプリントしている。全倍8点、全紙13点、半切4点を展示した壮観な写真展である。

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