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 No.627

三輪 薫(みわ かおる)


No.627 『生きる』/価値観 2013/12/30

戦後生まれの僕らでも、小さな頃には色々なものにたいして「大事に使う」「もったいない」というような気持ちを多くの人が抱きながら暮らしていたように思う。しかし、近年身の回りを取り巻く多くの事柄やものに対して、使い捨て感覚になってしまったように感じている。労働者にしても、正規雇用や終身雇用は多く望めず、企業が人を便利に使える時代になっている。

我が家には撮影用の1ボックスカーと日常的に乗っているステーションワゴンの2台ある。撮影用は2005年に13年落ちで買った小型のキャンピングカーで、走行距離は65,000kmくらいだった。現在では初期登録から22年目に突入している超の中古車である。ステーションワゴンも来春には4回目の車検で現在は購入後9年目を迎えている。この撮影用の1ボックスカーを買うときには初期登録から20年か、20万キロまで乗ると決めていた。現在まだ16万キロを越えたところで、まだまだ乗る予定でいる。

今月初めにちょっと関心のあった4DW車の試乗をしてきた。ステーションワゴンを下取りにした見積をもらったのだが、8年半の使用で何と新車時の2-3%の価値しか認められなかった。まだまだ不都合なく小気味よく走ってくれ、上品な風貌のデザインも気に入っている車である。購入時には少なくとも10年は乗り続けたいと思う魅力を感じた車しか興味がなく、現在でもこの車に飽きたわけではない。試乗した車は歩行者用のエアバッグも備え、追突を防ぐ自動ブレーキなど、安全面への配慮が実に豊富な装備が魅力だが、色々考えた結果、現在の車を来年も乗り続けることにした。

写真業界はもう既にデジタル全盛になっていて、銀塩写真は片隅に追いやられ、冷遇どころではないような気がする。撮影の大半はデジタルになってはいるが、フィルム撮影は現在も続けていて、年間数百本になると思う。しかし、フィルムカメラではそのメーカーの上級機種を買えば、ある意味一生ものだったが、デジタルは撮影機材だけではなく、パソコンやモニター、プリンターなどの周辺機器も10年を期待してもとても叶わなく、早いと数年で買い換えを余儀なくされ、役目を終える。高価なもので大事に使ってもたかが数年の寿命である。しかし、撮影後の画像チェックやデジタルプリントなど便利なことも多く、現在では主流になっているのも頷ける。しかし、撮影の楽しさは車の運転と似ていて、ちょっと面倒に思えるくらいのほうが充実感や満足感を感じるものだ。今年も残すこと1日だが、来年もデジタルとフィルム撮影の両方を楽しもうと思っている。

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