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 No.634

三輪 薫(みわ かおる)


No.634 『創る』/画面比率 2015/2/18

先日横浜市のみなとみらいで開催された「CP+(CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW)」では、6年ぶりに伊勢和紙が出展した。このブースに僕の作品が9点展示された。四八判(1100mm×2400mm)の手漉き和紙を横位置で展示した作品を1点、全倍(600mm×900mm)ほどの菊判を半分にして縦長で展示した手漉き和紙の作品を4点(640mm×420mm)、A3ノビサイズにプリントして額装(550mm×550mm)したのは4点だった。額装以外は和紙をそのまま見せる吊り仕様で、四八判の和紙にはデジタルのEOSで撮った画面比率[2:3]の画像をトリミングして[900mm×1635mm]の画面にプリントし、640mm×420mmの縦長で展示の和紙には[533mm×300mm]の画面でプリントした。この縦長の画像4点はコンパクトのデジタルカメラ LEICA D-LUX 3 と Canon PowerShot G1X による画面比率をハイビジョンサイズにして縦位置で撮影したもので、伊勢和紙の大豐和紙工業(株)社長の中北さんが提案し、これはいいと賛同して決めた。細長い画面を縦位置で見せると掛け軸風になって結構様になる。レンズ交換式ではないコンパクトカメラで撮った作品の展示は初めてだったが、1000万画素を超える画像では、画面サイズが全紙くらいなら見劣りもしない。このようなコンパクトなカメラでも僕にとってはサブカメラではなくメーンなカメラであり、多少の気軽さはあるがレンズ交換式カメラと同等な気持ちで撮っている。

Canon PowerShot G1X には画面比率[1:1]のスクウェアサイズも選ぶことが出来る。長年真四角の画面比率のハッセルブラッドで撮っている者にとってはなじみ深く、気軽に選択できるのは嬉しい。LEICA D-LUX 3では大半[9:16]のハイビジョンサイズで撮っていて、Canon PowerShot G1Xでは画面比率[1:1]のスクウェアサイズで撮ることも多い。カメラで画面比率を変えて撮るのも楽しいことである。普段の撮影では、LEICA D-LUX 3をレトロなデザインの茶色の革ケースに入れてズボンのベルトに通し、いつでも撮影できる体勢でいる。小型カメラでは画面比率が[2:3]、中判カメラは画面比率[1:1]のハッセルブラッド、大判は最近ではご無沙汰気味だが8×10インチ判の画面比率[4:5]と、カメラの種類によって画面比率を使い分けると気持ちの切り替えがスムーズにできる利点がある。

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