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 No.644

三輪 薫(みわ かおる)


No.644 『生きる』/今年を振り返ると 2015/12/25

今年は敗戦後70年を迎え、戦後3年目に生まれた僕は67才となった。子供の頃には中学生でも大人のように見えたものだが、67才なんてまるで仙人のように感じるかも知れないとも思っている。しかし、自分自身では少なくとも10数年前で自覚する加齢が止まってしまったように感じているのも確かである。若いときから同世代の男性を見ると自分よりも大人に感じ、数歳は上に感じたものだが、現在でもその思いは同じである。しかし、他人から僕を見た場合は全く逆のようで、自分が思うほど若くはないらしい。40代も半ばを過ぎた頃には60代と思われたことがあり、60代を迎えると70代や80代と勘違いされたことも度々ある。僕は若白髪であるだけに20代の頃から実年齢よりも高く思われてきたような気がする。それは嫌な思いばかりではなく、フリーになった30代初め頃には逆に助かったことも結構ある。

今年の冬には北海道に自分の車では行けなかったが、主宰している「わの会」の撮影ツアーで行った。2月の厳冬期というのに例年なら真っ白な道路が、ところどころ雪が見えるという暖冬で、極寒であるはずの摩周湖の湖面は全く凍っていなく、鶴居村の雪裡川も川岸の木々は見事な霧氷にはなっていなく、体験したことがないくらいの暖冬だった。しかし、4月に宇都宮や茂木に行った時には雪が降り、夏は今までに記憶にないと思うくらい蒸し暑かった。仕事部屋のエアコンが壊れ、修理しても購入した時のような冷気を感じないほどだった。残暑は9月も続き、車で琵琶湖へと移動中にエアコンが壊れ、自宅の仕事部屋以上に参ってしまった。堪えたのは実際の蒸し暑さだけではなく、多分に実年齢から来る感じ方にもあると思っている。夏が暑く、残暑も長く続いたせいか今年の紅葉は平均的には例年よりも色づきがよくなかったようだとの話しが多い。しかし、東北など随分早く紅葉が始まった所もあり、10月中旬に行った長野県小谷村の鎌池辺りは最盛期で、栂池自然園は残り葉の晩秋の佇まいで、その違いが撮影には幸いした。下旬に長野県の女神湖の湖畔に建つホテルで開催した「わの会」の『集いの会』も決していい紅葉とは思えなかったが、晴天だったために逆光で見る紅葉は美しく、冷えた朝靄の湖面もすてきだった。12月始めに行った新宿御苑の紅葉は今まで見たことがないくらい遅れていて、この頃には残り葉もない枝垂れの手向山紅葉は見事な色づきで、1週間後に再び行った時もまだまだ葉が多く付いていて驚いたくらいだ。他の紅葉もまだ色づきはじめというのもあちこちで見られた。12月下旬だというのに沖縄では夏日が続き、ニューヨークやパリでもこの時期にしてはかなり温かいとTVのニュースで伝えていた。今年は実に変な気候である。来年はどうなるのだろうかと心配になってくる。心配と言えば今年は自然災害や世の中の不安なことや争いごとが多くあった。来年こそ平穏な世の中であって欲しいと願うばかりだ。

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