Toppageへ
 No.702

三輪 薫(みわ かおる)


No.702 コロナ禍での自粛生活 2021/9/21

今年はコロナ禍で始まり、コロナ禍で終わるような気がします。開催反対の意見が多かった東京オリンピックやパラリンピックですが、多くの国民の意見を無視して開催され、オリンピック開催中に感染者が増え続けました。東京都内では8月13日に過去最多となる5773人の感染が確認され、重症の患者は227人となり、4日連続で過去最多を更新しました。それに比べると今日9月21日の感染者数は253人で劇的に減りつつありますが、昨年の1回目の緊急事態宣言が発令された4月7日での感染者数は87人で、現在の人数でもかなり多い数値です。今年に入ってから東京都や神奈川県では緊急事態措置とまん延防止等重点措置が実施されなかった日数はどれだけあったのかと思うくらいです。結果として自粛自粛の生活を余儀なくされることが多くなり、気分は滅入るばかりです。

2月から7月初めに、緊急事態宣言が発出されていない時期を見計らって1泊か2泊でたまに出掛けることもありました。出掛けた先は観光客やカメラマンとの出会いは少なく、僕ら以外は誰もいない日もあったほどで、宿泊客も結構少なめなことが多かったですね。しかし、以降は緊急事態宣言が発出されている中で、自粛の日々を送っています。

緊急事態措置が実施されている地域では県をまたいでの移動も自粛するようにとのお願いもあり、神奈川県の郊外に住む身には都内へは仕事以外で行くことをためらってしまいます。できるだけ電車には乗りたくなく、乗らなければならないときには朝夕のラッシュ時は避けるようにしています。このように選択できる人はまだましで、会社などに通わなくてはならない人達は大変です。もっと大変なのが医療従事者や介護施設で働く人達などエッセンシャルワーカーの方達です。日々の生活や社会を支えてくれ、頭が下がります。

東京都との境に暮らしている僕は、たまに撮影に行くのは近くの市内の公園くらいです。時々は自宅からは割と近い多摩地区に出掛けることもあります。自宅にばかりこもっているとストレスも溜まります。買い物で近所のスーパーマーケットに行くくらいでは気分が晴れません。そのような中、8月下旬に静岡県三島市にある佐野美術館で「渡辺省亭展―欧米を魅了した花鳥画―」を開催されているのを知り、車で行って観てきました。入館者数の制限もされていたためか来館者は少なく、全ての作品をじっくり楽しむことができました。この展覧会は東京藝術大学の美術館で3月27日から開催されましたが、4月25日に緊急事態宣言が発出されて休館になり、5月23日(日)の会期終了をもって閉幕になってしまいました。とても残念に思っていただけに嬉しく、ストレスの解消にも繋がりました。

今月末には緊急事態措置も解除されるでしょうから、来月には久々に遠出し、後向きになりがちだった気持も新たにして撮影を楽しみたいと思っています。来年3月には日本橋の小津ギャラリーでの個展開催も決まっていて、取り敢えずはこの個展の作品創りに取り組んで行きたいです。

しかし、感染者が減りつつあっても気を抜けない医療従事者や介護施設で働く人達などエッセンシャルワーカーの方達は大変で、我々の日々の生活や社会を支えてくれていることには感謝し、頭が下がります。


戻る