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 No.720

三輪 薫(みわ かおる)


No.720 作品鑑賞と梅林撮影 2023/3/18

毎年楽しみにしている絵画展に中目黒駅に近い郷さくら美術館の日本画による「桜花賞展」があります。「桜花賞展」は開館1周年を記念してスタートしたとのことで、今年は10回目を迎えています。この美術館は地の利もよく、三階建てのビルながらもこぢんまりとしたすてきな佇まいで、全ての作品をじっくり鑑賞しても疲れなく、程よい充実感を味わえるのも魅力となっています。一階には中島千波さん、平松礼二さんなど大御所の方々の作品が展示され、二階三階に「桜花賞展」の作品が展示されています。日本画は僕の作風には得るものが多くあり、絵画展では洋画や版画作品よりも多く見ている気がします。

16日には水戸に行き、茨城県近代美術館で「速水御舟展」を見てきました。100点ほど展示されているということで是非見たかったのです。これだけの規模で開催される作品展を見るのは初めてで、速水御舟の多才ぶりと是が同じ作者なのかと驚くような作風も楽しめました。10代の若い頃から晩年までの作品をたどって行くと変身したかのように思える速水御舟がいて、何故このような作風になったのだろうかと思いながら眺める楽しさも味わえました。日本画ながらも写真以上ではないかと思えるほどの緻密な質感描写の作品があり、驚きを超えたものがありました。顔料でどうしてこのような描き方が出来るのか、今まで見たことがありません。また、鉛筆などのデッサンも結構展示されていて、速水御舟の天才振りが見てとれ、水戸まで来た甲斐があったとつくづく思ったものです。

17日には水戸から宇都宮に移動し、栃木県立美術館で、『「二つの栃木」の架け橋 小口一郎展 足尾鉱毒事件を描く』を見ました。小口一郎は「足尾銅山鉱毒事件と田中正造の木版画による三部作」で名を知られていると思っていますが、直接作品を見るのは今回が初めてでした。鋭利な彫刻刀で刻まれた画面からは、人の息づかいやうごめきなどまでも伝わってくる迫力満点の作品群でした。絵柄によっては超広角レンズで迫って撮ったような描写もあり、そのような画面構成も力強さに繋がっている気がしました。

今回、ついでにと言ってはなんですが、この時期折角水戸に行くのだからと偕楽園と弘道館の梅林も撮影してきました。最盛期も過ぎていてちょっと残念でした。宇都宮に向かう途中の茂木に近いところにある観音山梅の里にも寄ってきました。平坦な偕楽園と違って斜面にあってよかったのですが、ここも1週間ほど遅かった気がしました。


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