Toppageへ
 No.726

三輪 薫(みわ かおる)


No.726 便利さと不便さ−2 2023/9/7

僕の撮影用の小型キャンピングカーのVW T-4 ウエストファリア ユーロバン CVは、2005年7月に13年落ちの中古で購入しました。初年度登録は1992年9月の車ですから現在では31年目に入った骨董品的な車です。オートマチックの前輪駆動車ですが、現代の車のような安全装置は一切搭載されていません。高速道路走行で便利なオートクルーズコントロールは付いていましたが、現在では壊れていて修理不能状態。また、冷蔵庫などのためのサブバッテリーの走行充電や外部電源からの充電も故障していて使えません。今年の車検ではリアブレーキホイールシリンダ(左右)、燃料フィルターと燃料ホース2本を交換しました。急いでいたためOCS便でドイツから送っていただいたら、小さな部品にもかかわらず送料が19,000円近くなりビックリでした。燃料ホースが見つからず困っていたら、ドイツの業者さんからの紹介で大坂のショップにあることがわかり、何とか無事車検を済ますことが出来ました。ヨーロッパでも電気自動車に移行しているためなのか、OEMで作られていた古い車の部品が欠品になっていることが増えているようです。この車、購入した時には走行距離が約64,000kmで、20万キロになるか10年後には手放すと決めていました。現在の走行距離は20万キロを2,000kmほど超え、毎回の車検での部品交換も結構あって維持は大変ですが、手放す気になれません。数年前には後ろの跳ね上げドアを上げたまま後退してしまい壁に激突。修理が上手くできていなく雨漏りし、パッキンで塞ぎました。車検に出す前はエアコンがそれなりに効いていましたが、7月下旬に受け取った酷暑時には作動しませんでした。昨年の夏も同じことが起きましたが、秋になったら涼しい風が吹き、治ったと思っていました。この車のエアコン、どうも酷暑には弱いようです。

このような状態で乗り続けたいと思う人はいないかも知れませんね。しかし、何事もなく便利だからいいとは限らないと思っています。エアバックなども含め安全装置が全くないから慢心することなく運転には気をつけるし、30歳を過ぎてフリーになって日本の自然風景を撮り始めた頃、いつの日かこの車を入手し、全国を巡るのが僕の夢でした。しかし、高額すぎて買えず、三菱自動車の1ボックスカー、中古のデリカに乗っていました。デリカの初代4WD車が発売された時には4ナンバーの商用車しか5ドアがなく、改造も前提としていたため馬力がワゴン車に比べて少ないのを承知で入手しました。しかし、高速道路の長い上り坂では呆れるくらい速度が落ち、励ましの声を発しながら走っていました。ショップでキャンピングカーに改造していただいたものの、使い勝手がよくなく、約1ヶ月掛けて自分で改造し直しました。このようなこともあってか10年くらい乗り続けましたが、エンジンがハンドルの前にあるタイプの新型が発売され、衝突したときの安全性を考え、即買い換えました。馬力もあり、走行性能も上がって、世の中スノータイヤからスタッドレスタイヤに替わったこともあって、1O年乗っていても折角買っていたチェーンを付けたこともなく過ぎました。車への安心感や性能は高かったですが、面白味と愛着は前の車のほうがありました。不便だからこその思いも強いのです。


戻る