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 No.731

三輪 薫(みわ かおる)


No.731 月刊フォトコン、月例作品審査 2024/1/23

昨年の8月初めに、月刊フォトコンの編集長からメールがあり、「紅葉の表現力についての特集」10数ページをお願いできないかとのことでした。フォトコン誌でこのようなハウツーものの記事を書くのは2010年1月号以来のことで、近年カメラ誌に登城するのは個展開催時に作品を掲載していただくこと以外は全くと言っていいほどなく、ビックリの連絡でした。結果的には15ページの特集になり、表紙も担当することになりました。また、下旬には、次年度のネイチャーフォトの部の審査も担当いただきたいと編集部で決まったので検討して欲しいとメールをいただきました。この部の審査担当は2014年以来のことで、10年振りの担当となります。

この部は3名で、それぞれ年に4回担当します。昨年10月下旬に2024年1月号の審査を行いました。応募総数が2200点を超えていて、読者の熱心さには驚きました。この部は1人20点まで応募できることになっているのも応募総数が多くなる要因のひとつになっていると思います。しかも近年、長年刊行されてきた歴史あるカメラ誌が次々と休刊になっていて、各カメラ誌に分散していた応募者がフォトコンにも集中しているのだとも考えられます。現在はデジタル時代で、フィルムでの応募はごく少数です。ほとんどがプリント応募になっています。1回目の審査では、276名の方々が2,229点応募され、1人1点に絞る第1次セレクトを終えるのは早くても3時間は掛かります。それから評価順にプリントを分けてゆき、最後は数十人が楽に収容できる会議室の机を並べ、最終セレクトで絞ったそれらのプリント作品を並べ、じっくり評価して行き、入賞入選作品、最終予選通過、2次予選通過、1次予選通作品と選んで行くのです。1回目は5時間以上掛かりました。昨日は4月号の2回目の審査を行い、応募総数はほぼ同じでしたが、手順が少し分かってきたこともあってか、4時間半くらいで行えました。但し、休憩時間はほとんどなく、集中して行った結果です。

10年振りに担当してまず感じたのが画面全体のトーンが暗い作品がものすごく多かったことでした。確かに、ローキー調での表現が合っている作品もあり、入賞入選しています。しかし、多くの作品がもっと明るめに、きれいなトーン再現でプリント出来ていたら入賞入選レベルと判断できるのではないかと思われる作品が多いのがとても残念です。暗いトーン再現だけではなく、抜けのよくないプリント仕上げもあり、フィルム時代のようにプリント仕上げをプロラボにお願いして応募する時代ではなくなったのも影響していると思います。都市部ならプロラボもまだありますが、地方ではなく、自らプリント研究するしかありませんね。


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