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 No.733

三輪 薫(みわ かおる)


No.733 手漉き伊勢和紙五八判 2024/3/29

長年の念願だった手漉きの伊勢和紙五八判(1500mm×2400mm)が、今月中旬に漉き始められました。伊勢和紙のこれまでの最大サイズは四八判(1100mm×2400mm)で、比率が1:2よりも細長く、小型カメラの画面比率2:3のフル画面でプリントすると左右の余白がかなり多くなり、どうしても上下を少しカットせざるを得ませんでした。フィルム撮影時代から大判プリントによる個展を何度も開催してきて、半切や全紙などの小さなサイズでは再現不可能な空気感や撮影時の臨場感を引き出せる魅力は大きいです。短辺が1メートルの作品を展示し始めたのは銀座5丁目の鳩居堂ビル6Fにあった京セラ・コンタックサロン銀座で1996年に開催した「風光-V」展からです。その後もこの会場で1998年の「樹奏」、2000年の「風光-W」、2004年の「Rock」で、この大判プリントをメインに展示しました。2003年に初めての和紙プリント展を京都と東京で開催した「風香」展の時には、当時伊勢和紙には860ミリ幅の伊勢和紙Photoシリーズしかなく、越前和紙にプリントしました。京セラ・コンタックサロンは2005年に有楽町駅前の東京交通会館に移転し、ここで2008年に開催した「風光-X」で初めて四八判の作品を3点展示しました。以後、2011年の小津ギャラリーでの「水の抄」、銀座のキヤノンギャラリーで2016年に開催の「こころの和いろ」と2019年の「こころの和いろ-U」と、日本の自然風景による和紙プリントでの個展には四八判の作品を1点展示してきました。

品川のキヤノン本社ビル1階にあるキヤノンギャラリーSで来月26日から開催する「風の香り」展では五八判を3点、四八判を2点、860ミリ幅のロール紙を18点展示します。これらのプリントはいつものように伊勢和紙の中北さんにお願いしていて、2月初めに続き、24日と25日に2回目のプリント確認に伊勢に行って来ました。五八判のプリント画面は 1300mm×1950mm で、目の当たりに見ると実に壮観です。会場に展示された光景を想像するとわくわくしてくるほどでした。


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