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 No.753

三輪 薫(みわ かおる)


No.753 三輪薫写真展「風の香り」高岡展とNHK Eテレでの紹介 2025/11/25

11月1日から富山県高岡市にある写真美術館「ミュゼふくおかカメラ館」で開館25周年記念の冬の企画展として『伊勢和紙による三輪薫写真展「風の香り」〜こころの自然風景と花〜』を来年1月12日まで開催しています。この写真美術館は安藤忠雄さん設計によるもので、美術館としては珍しいコンクリート打ちっ放しの壁面に作品を展示していますが、無機質の壁面には表情や表現が強い作品が似合うのではないか、僕の作品のように明るく、優しい色合いに満ちた描写は壁面に負けてしまうのではとも思っていました。しかし、実際に展示した作品群からはそのような印象は受けず、何となく馴染んで見えるのに驚きました。この建物、美術館としては非常に珍しい設計になっていて、吹き抜けの空間も多く、大半の外壁が透明ガラスで覆われ、通常遮光用の厚手のロールカーテンで塞がれています。しかし、大きな窓枠の隙間から外光が入り込み、カーテンが下りていても結構明るく感じます。しかし、今回は大半のカーテンを高い天井まで巻き上げ、館内を通常よりもかなり明るくしていただきました。直接に光が差し込む南面の半分には2400mmx860mmのロール紙による2枚合わせの作品を12点吊り下げ、透過光で見ていただいています。展示しない部分のみカーテンを下ろしていますが、プリントの上部は結構空いていて、反対側の壁面に展示の作品はかなり明るいライティングで見ていただいています。僕は外光が入る明るい会場が好きです。しかし、都内に限らず閉鎖的な会場が多く、昨年品川のキヤノン本社ビル1階にあるキヤノンギャラリーSでの個展開催が決まった時の打ち合わせでは、真っ先に広い通路に面した壁面を外し、通路を通した外光がいっぱい入るようにしたいと要望し、やっと念願の環境での作品展示ができました。この高岡の会場は壁面が200メートル近くありますが、閉鎖された空間はわずかで、大半が設定次第で明るい壁面にすることができるのが特徴です。今回の作品は自然風景と花で、自然の中で「カメラで日本画を描いた」作品は、自然光で見ていただくのが一番と考えています。今回、実にさわやかな光と空間の中で展示でき、この会場で開催できたこと、嬉しく思っています。外光が入る会場では、閉鎖された会場のいつ見ても同じライティングで眺めるのと比べ、天候や見る時間帯でライティングが変わり、見え方、感じ方がその時々で違ってくるのがいいと思っています。

通常は展示することが少ない外壁であるガラス面にも12点展示したことで、展示壁面が200メートルを超えてしまい、五八判(1500mm×2400mm)、四八判(1100mm×2400mm)、2000-2400mm×860mmのロール紙による作品が60点を超え、作品総数が143点となった個展は初めてです。しかし、結構な点数の新作も含め、作品セレクトと20を超える複雑な壁面への展示構成が実に大変でした。大判プリント作品を制作していただいている伊勢和紙の中北喜得さんにも多大なお世話をおかけしました。ありがたく思っています。作品の全てを眺めるのは実に爽快なことで、昨年のキヤノンギャラリーSでの個展開催も僕にとって集大成となるとカメラ誌編集部の方に言われましたが、この高岡での個展こそ、まさに僕にとっての集大成と言えると思います。幸にして、会館側の売り込みによってNHK Eテレの日曜美術館の各地の作品展を紹介する番組「アートシーン」で取り上げていただけることになりました。当初はせいぜい30秒くらいかなと思っていましたが、1分半もあったとのことで、僕が長年求め、創り続けてきた「カメラで日本画を描く」伊勢和紙プリントによる作品世界をアピールできたかなと嬉しく思っています。23日の放送は終わりましたが、30日(日)20:45からの再放送と、NHKプラスで見ることができ、館内の展示風景3ヶ所と五八判3点が紹介されます。ご覧いただけると嬉しいです。



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