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 No.690

三輪 薫(みわ かおる)


No.690 コロナ禍での写真展 2020/9/26

作品は人に見ていただいて初めて作品として成り立つような気がします。写真による作品は印刷やインターネットでも見ることが出来ますが、大半はオリジナルの画像から拡大して見せることになり、作者の意図によってはその作品の理想的な画面サイズがあり、印刷では実現不可能なサイズもあります。プリントでは、現在は様様な用紙に印刷できるようになっていて、特に写真展ではインクジェットプリンターなどで作品表現に応じた用紙を選択し、希望サイズで展示出来るのもオリジナルプリントの利点と思っています。

4ヶ月以上も延期になって開催した日本橋の小津ギャラリーでの「伊勢和紙による三輪薫「水光」とフォトワークショップ「風」写真展」も無事終えることが出来ました。しかし、コロナ禍のため予想通り入場者数はかなり少なかったものの、開催の意義はあったと思います。東急セミナーBE青葉台教室の写真展や「わの会」世話人の桜井良樹さんご夫婦による写真と書の二人展も無事終わりました。ご来場いただいたみなさんにはコロナ禍でも来て見てよかったと思っていただけたでしょう。

作品は公の場で眺めてみることも大切で、独りよがりになることを防いでくれ、眺めている内に次なる作品創りのヒントも浮かんできます。厳密に言えば作品創りに完成というものはなく、次の写真展でより高見を目指すというのが作者の本音ではないでしょうか。フリーになって約40年、そう言う思いで個展を次々に開催してきて、10年間に9回くらいのペースになります。和紙プリントによる個展は今回で17回目です。

延期で開催した小津ギャラリーでの写真展は、延期を決めた3月下旬の時は今回の会期のみ空いていました。しかし、開催時には前後の作品展はキャンセルされていて、ギャラリー側の企画展になっていました。このようにキャンセルが相次ぎ、企画展かそれ的な内容で開催しているギャラリーもあります。自粛生活の中ですが、たまに仕事や所用で都内に行くときにはギャラリーにも寄っていますが、コロナ禍前のように多くの来場者がいた会場はありませんでした。開催をキャンセルした人達の選択は間違いだとは言いませんが、何事も後向きで向かっていては心も病んでしまうのではないかと思ってしまいます。注意を怠らず、前向きに生きることもいいのではないでしょうか。僕が判断して決める事柄はコロナに臆せず開催して行くつもりです。12月に開催予定の「わの会」写真展も現在テストプリントの制作中です。

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